昔の、ふたば文化幼稚園を知っている方々からは「ふたばっ子と言えば、真冬でも裸で乾布摩擦・体操と、薄着で元気に遊んでいる姿が連想されたが、近頃は長ズボンと厚着ばかりが目立つ。園長先生も信念が揺らいで、徹底しなくなったのではないですか?」と、言われる事が多くなりました。信念が揺らいでいるわけではないのですが、徹底できなくなったのは確かです。薄着を奨励しているが、決して強制していませんので、保護者の皆様のご協力がないと徹底できないのです。
ふたば文化幼稚園は、子どもの『遊び』を大切にしています。とりわけ、外遊びを重視しています。先生方も率先して、半袖で子ども達と一緒に遊んでいます。ふたばっ子は非常に活動的です。しかも、幼稚園は日当たりが良く、天気の良い日はポカポカして、本当に温かいのです。ご家庭にいる時は、幼稚園にいる時ほど活動的ではないでしょうから、真冬に汗をかくという事はないでしょうが、園庭で遊んでいる厚着の子の背中に手を入れると、汗をびっしょりかいています。子どもは、脱ぎ着をしなさいと、いくら声を掛けても夢中になって遊んでいるときは、着ているものを脱いだりせずに遊んでしまいます。特に、タイツや長ズボンの着脱は難しいです。
人間の体は、環境に順応して自然に体に害となる、暑さ、寒さに対して抵抗する力を蓄えます。寒い時は汗腺をギュッと引き締め、熱を奪われないようにします。逆に、暑い時には汗腺をパッと開き、熱を外に放出します。この体温調節機能は6歳ぐらいまでに出来上がってしまうそうです。ですから、幼児期に、夏はクーラー、冬は暖房の中で、一年中全く寒暖なく生活していると、暑さ・寒さに弱い体に育ってしまうことになります。
最近は冷暖房完備を売りものにする幼稚園が多くなっています。又、文部省も公立学校にエアコンを設置する方針を出しました。室内を冷やし、熱を室外に放出することになります。子ども達はますます外で遊ばなくなります。エアコンを付けるより、自然環境を守り、豊かな自然の中で子どもを育てることの方が大切ではないでしょうか。子どもの体温は大人より高いのが普通で、子どもを抱いたりするとホカホカして温かく感じられます。しかし、最近の子ども達は体温が低く、大人と変わりないということです。やはり、子どもは『風邪』の子ではなく、子どもは〃風〃の子で、寒風をものともせずに、元気に外で遊べる子であって欲しいと願うのです。