お母さんの方が恐いもんねー

(2018.3.01)

豆まきの日の朝、外を見ると大雪だった。これなら前回の雪のリベンジで、鬼と子ども達の雪合戦ができると、ワクワクして園に向かいました。バサバサ降っているわりに、道路に雪はなく、少し不安になりました。園に着くと、前日まで凍っていた庭は雪がなく泥んこになっていました。みぞれと湿った雪だったのです。仕方なくホールで豆まきとなりました。節分の由来と立春、冬から春に移っていくことを話し、邪鬼を払い春を迎える喜びと、春になるとみんなも一つ大きくなって、進級・卒園し小学生になることを伝えました。 そして節分の会が始まりました。子ども達は、豆まきの歌、鬼のパンツの歌などで盛り上がりました。豆を配ってもらい「鬼なんか恐くないぞ!オー!」と気勢を上げると、急にガラガラ、バリバリ、ドスーンと雷の音が響き、同時に鬼が、ガオー、ウオーと叫び「ナニー、オレ様をやっつけてやるぞ、オニはソトだと?お前ら一人残らず食ってやる」の声と、ドスン、バチンと金棒を振り下ろす大きな音がします。子ども達が立ちすくみ、凍りついたところにド迫力の大鬼が登場、金棒を振り回し、先生にしがみついて、阿鼻叫喚の子はそっとして、元気な子達を追廻し、捕まえ、担ぎ上げます。泣きながら気丈に豆を投げている子や、豆をぶっつけながら逃げ回る子もいます。鬼も汗びっしょりになり、「参りました。ふたばっ子は強い!どうか許して下さい」とひざまずいて謝ります。面を取ると、「園長先生とケイジ先生と分かっていたよ、全然恐くなかったもんね」と、先ほどまで大泣きしていた子が言います。

昼食は、鬼のトラウマを解消するため、大泣きしていた年少児のクラスに行きました。「園長先生、ここに座って」とみんなに呼ばれました。特に大泣きしていたA子ちゃんの隣に座りました。A子ちゃんが「鬼なんか全然恐くなかったもんねー。うちのお母さんの方がずっと怖いんだから」ととんでもないことを言い出しました。「鬼の顔は怖かったでしょう?」と言うと「お顔だって、お母さんが怒った時の方がずーっと恐いんだから、お父さんだって恐いと言ってたよ。」「それではお母さんが嫌い?」と聞くと「いつもはかわいいの、大好き」と。子ども達はみんな怒られても怖くても、お母さんが大好きなのです。遠くに座っていたB君が、あんなに泣いて先生にしがみついていたのに、「僕が、いっぱい豆をぶっつけて鬼をやっつけたから、鬼がゴメンナサイしたんだ」と大声で言い張っていました。彼が大泣きしてたなどと言わず「B君は強いんだ、もうすぐ年中さんになるんだもんね」と言うと、みんなも「僕も強いよ!」と胸を張っていました。前に座っていたCちゃんが「春になったら、私、お姉ちゃんになるの、幼稚園に小さな子が来るから」と言いました。 子ども達も大きくなって、もう春です。

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